Windows 10では個人用に設定しても組織のOffice365にはアクセスできる

Windows 10は「個人用に設定」「組織用に設定」を選択することができます。それぞれどういう意味なのか、どちらを選択すべきなのか、ということがわかりにくいので、それを解説する記事と動画を作成、公開しています。

https://cloud.ebisuda.net/%e5%80%8b%e4%ba%ba%e3%82%a2%e3%82%ab%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%a8%e7%b5%84%e7%b9%94%e3%82%a2%e3%82%ab%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%88/

この記事および動画を見た方から追加の質問で「間違えて選択してしまったのだけれども変更できるだろうか?」という質問を多くいただくようになりました。また関連して「個人用を選択してしまったけれどもOffice 365を使いたいから組織用で設定し直さないといけないのですよね?」という質問も多くいただくようになりました。ですが、この質問の答えは「いいえ」です。もちろん組織用に設定し直したほうが便利に使える、というのは事実なのですがそれは必須ではありません。

このあたり、やはり理解が難しい模様なのでもうすこし詳しくお伝えしたいと思います。

なお、この説明はこのような疑問を持つような「一般ユーザー」「エンドユーザー」さんを対象にしています。数十台以上を組織で管理するような管理者の方向けの説明ではないのでその点は注意してください。

「Windows10にサインイン」する方法と「クラウドサービス利用」は別のものである

まず、「Windows10にサインインする」ということと「クラウドサービスを利用」することは別の事であるということを解説したいと思います。

別の言い方をすると、「個人用と組織用を間違ってセットアップしてしまったとしても、わざわざ設定しなおさなくても大丈夫」ということになります。

まず、Windows10には以下のような「サインインの仕方」があります。

No サインイン方法 ユーザーが存在する場所 説明の中で使われる表現や関連キーワード
1 ローカルアカウントでサインイン ローカル
(Windows10の中)
ワークグループ
2 Active Directoryにサインイン オンプレミスであることが多い
Active Directoryの中  
ドメイン参加
ADのアカウント
3 マイクロソフトアカウントでサインイン クラウドサービス
(マイクロソフトアカウント)
個人用に設定
個人用アカウント
個人のアカウント
マイクロソフトアカウント
MSA
Hotmailアカウント
live ID
Outlook.com
OneDrive(個人)
4 Azure Active Directoryアカウントでサインイン クラウドサービス
(Azure Active Directory)
組織用に設定
組織アカウント
組織のアカウント
Office 365のアカウント

No1とNo2がWindowsに昔からずっとある選択肢です。No3とNo4が今のクラウド時代のWindows 10で推奨されている選択肢です。Windows 10では3にしますか?それとも4にしますか?というのが全面に押し出されているわけですね。

・個人のマイクロソフトアカウントで利用できるOutlook.comでのメールサービス、OneDriveでのクラウドストレージを使っている、なのでNo.3を選択する。

・会社がOffice 365を契約していて、メールはExchange Onlineを使っている。なので、No.4を選択する。

というのが一番良い選択なのは間違いないのですが、「必ずこうでなければいけない」というわけではない点に注意が必要です。

No1~4のどのパターンでWindows 10にサインインしていてもマイクロソフトアカウントを使ってOutlook.comでメールを送受信することも、個人用のOneDriveを利用することも可能です。

No1~4のどのパターンでWindows 10にサインインしていても、組織アカウントを使ってOutlookでメールを送受信することも組織用のOneDriveを利用することも可能です。

これはなぜかというと、「クラウドサービスを利用するときにも認証、認可が行われている」からです。きちんと個人アカウント、組織アカウントでの認証が行えれば、きちんとサービスは利用できるのです。

でも、No.1,2のパターンでWindows 10にサインインしているとクラウドサービスを利用しようと思ったら「クラウドサービスを利用するには必ず認証が必要」だし個別にアカウントの管理が必要ですよね?それって、ちょっと面倒じゃないですか?だったら、はじめからクラウドサービスを利用できるアカウントでWindows10自体にサインインもできちゃったら楽ちんですよね?と考えてもらうと自然に納得できるかもしれません。実際に実装された順番もそうです。

実際のところ、「No3のパターンで構成しておけばOutlook.comにアクセスしたら認証を聞かれずにすぐにサービスが使える。他のパターンなら認証を聞かれる、その上で使える。」「No4のパターンで構成しておけばOffice365のポータルにアクセスしたら認証を聞かれずにすぐにサービスを使える。他のパターンなら認証を着替える、その上で使える。」程度の理解でまずは良いと思います。

実際にはNo2,4の場合には管理者が裏でいろいろな管理用の仕組みを組み込めるのでその点が管理者目線ですと大違いなのですがこれはエンドユーザーから見たときにはまずは意識しなくて良いと思います。

あとは、そもそもNo4が選べないんだけど…というパターンもありますね。それはWindows 10のエディションに依存します。Homeエディションでは組織には参加できないのです。Windows 10 HomeエディションはHomeという名前の通り家庭で個人用とのみで使うことを想定されていますので、個人用としてマイクロソフトアカウントでセットアップしてもらえば大丈夫です。その場合でも必要に応じて(組織が許可していれば)会社で使っているメール(Exchnage online)にもアクセスは可能です。

初期化してしまえば良い

というわけで、まずは「わざわざ切り替えなくても大丈夫」ということを解説させていただきました。とはいえ、きちんと理解した上で「変更したい」ということもあるでしょう。

これを行うには、Windows10をUBSフラッシュディスクから起動して上書きでインストールしてしまえばよいです。他にも方法は色々とありますがこれが一番簡単だと思います。Windows10自体にも初期化する機能はあるのですが、残念ながらこの機能では組織用、個人用の設定は変更できません。

細かい手順に関しては下記動画で解説してみましたのでご覧になってみて下さい!

「Windows 10では個人用に設定しても組織のOffice365にはアクセスできる」への3件のフィードバック

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